HOME > セラピールーム > メールカウンセリング事例集 > アダルトチルドレン > 2001/12/31
ETさん
こんにちは。ETと申します。
先日書店で見つけた『インナーチャイルド』(ジョン・ブラットジョー著)
を読んでから、インナーチャイルドに興味を待ちました。
他の本やホームページなどでも調べたところ、
とてもたくさんの情報があったので驚いています。
最近アダルトチルドレンやインナーチャイルドという言葉をよく耳にしますが、
なぜ最近になってからこの問題が取り上げられるようになってきたのですか?
また、インナーチャイルドのチェックリストをやってみると、私にも当てはまるものが
いくつもあったのですが、私は虐待を受けて育った覚えはありませんし、
自分の家族が機能不全であるとも思いません。
私のようなごく普通の家庭で育った人でも
インナーチャイルドが傷ついてしまうことがあるのでしょうか?
普段の生活や人間関係に支障がなければ大丈夫など、
カウンセリングを受けたほうがよいという基準のようなものはあるのですか?
また、インナーチャイルドが傷ついていることとアダルトチルドレンであることの違いは
どのようなことでしょうか。
一方的に疑問点ばかりを挙げてしまい申し訳ございません。
インナーチャイルドについて、また自分自身のことについても
もっと知りたいと思っています。
もしお時間がありましたらお返事いただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
こんにちは、風早里美です。
随分前にメールを頂いていたようですが、
長期休暇の関係で、お返事が遅くなり申し訳ありません。
メールを頂きありがとうございました。
>先日書店で見つけた『インナーチャイルド』(ジョン・ブラットジョー著)
>を読んでから、インナーチャイルドに興味を待ちました。
>他の本やホームページなどでも調べたところ、とてもたくさんの情報があったので驚いています。
アダルトチルドレン・・・という事についての質問ですね。
いろいろな説がありますので、『私の観点』という事でお答えしたいと思います。
>最近アダルトチルドレンやインナーチャイルドという言葉をよく耳にしますが、
>なぜ最近になってからこの問題が取り上げられるようになってきたのですか?
クラウディア・ブラックという、アメリカのケースワーカが
最初に使ったこの言葉は心の問題を扱っている人間たちに、
とても受け入れられたということだと思います。
つまり、擁護的な役割としての医療現場の看護婦や、
例えば私を含むカウンセラーは
とても、『共依存性』を持っているという”質”を持った人間が多いのです。
そして、そういった人間はある意味では、
過去にアダルトチルドレン中の何かの役割を持っていて
「誰かに、とても必要とされたい」という、感覚を持っているのです。
そういった人間たちが、この心の関わりに多く接しており、
このアダルトチルドレンの理論が、とても受け入れやすかったという事は
私自身も同感できるところでもあります。
そして、メンタルな業務に携わるもの意外でも
大人であって、それなりの地位や、肩書きを持っている人間であっても
『生き辛い』という質を持った人間たちが増えており
そういった多くの辛い現実を抱えている人間たちが
何かの役割を、与えられている事に、気付き始めているのです。
「楽しい嬉しい役割」であれば、問題がないのですが
DV(ドメスティックバイオレンス)などに代表される、「辛い役割」であっても
その役割から抜け出す事は、自分の力だけでは出来ないのです。
>また、インナーチャイルドのチェックリストをやってみると、
>私にも当てはまるものがいくつもあったのですが、
>私は虐待を受けて育った覚えはありませんし、
>自分の家族が機能不全であるとも思いません。
>私のようなごく普通の家庭で育った人でもインナーチャイルドが傷ついてしまうことがあるのでしょうか?
>普段の生活や人間関係に支障がなければ大丈夫など、
>カウンセリングを受けたほうがよいという基準のようなものはあるのですか?
『虐待』という言葉に代表される親子関係だけが
この「役割」を生むわけではありません。
「家族の機能不全」という言葉にしても、『そうであると思わない』のは
『今』の成長されたEさん自身が思っていることです。
幼い時期にあなた自身が「どう感じていた」か・・・・・
その時の、貴方がそれに対して、どう行動していったか・・・・?
そのあたりから、役割は始まっています。
ただ・・・・・
大なり、小なり・・・・いろいろなところで頭をぶつけながら人間は成長します。
それが、また『教え』となり、『学習』となり自分自身を成長させたり
社会に順応させたりしていきます。
ですから、いろいろな葛藤や摩擦が全ていけないのではないのです。
問題は、今の成長した大人の貴方が人間関係の中で
特に、恋人や、夫婦・・・・または親子(自分の子ども)という密接な中で
関係を創っていけないような、苦しみ辛さを持っているときには
「アダルトチルドレン」である可能性は高いと思います。
「どうして?」「なぜ??」「こんなに頑張っているのに??」等々・・・・
そんな、砂漠に水をまくような、空しい感じ、寂しい感じ・・・・
を常に持っているときには、心の整理をされるといいと思います。
ただ、苦しいから、辛いからそれがエネルギーとなります。
カウンセリングを受けられる方は、『変わりたい』と痛切に願いながら
『変わりたくない!!』とも深層では思っています。
辛いから、苦しいから・・・・・・そんな『悲しいエネルギー』が
自分自身を直視させる勇気をくれます。
ですから、「漠然と」とか、「好奇心」であれば理論的には整理できると思いますが
「行動修正」まで、行き着けるとは思えない事なのです・・・・・・。
>また、インナーチャイルドが傷ついていることと
>アダルトチルドレンであることの違いはどのようなことでしょうか?
「インナーチャイルドが傷ついていること」・・・・これは誰にもあることです。
「アダルトチルドレン」である事は、心が傷ついた事が大きすぎて、
その時点で心の成長が止まってしまい「役割」を演じる事で
自分を守ろうとしていることです。
大人になっても、その役割を一生懸命に演じ、相手に認められようとしますが
それは、どの人にも認められるものではありません。
その役割を、自分が辛いにも関わらず、行動パターンや思考パターンを
変える事が出来ない・・・・これが「アダルトチルドレン」です。
そして、認めてくれない相手を攻撃したくなる・・・・・そんな繰り返しが始まります。
>一方的に疑問点ばかりを挙げてしまい申し訳ございません。
>インナーチャイルドについて、また自分自身のことについてももっと知りたいと思っています。
>もしお時間がありましたらお返事いただけると嬉しいです。
>よろしくお願いいたします。
いえいえ・・・・・(微笑)
このような事で答えになりましたでしょうか?
ETさんがあなた自身を好きになり
少しでも、素敵な人生にされる事を応援してます。