HOME > セラピールーム > メールカウンセリング事例集 > アダルトチルドレン > 2006/05/16
ははこさん
はじめまして、風早里美です。
お返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。
全文を読ませて頂き、娘さんの問題で悩んでいらっしゃるのですが
「ははこさん」自身が、とても大きな問題を心に抱えていらっしゃるように感じました。
知るべきは知る・・・・・癒すべきは癒す・・・・・
自分自身を責めることではなく、
少しでもあなた自身が癒される経験をして欲しいと思いました。
>中3の娘の事について ご相談させてください。
>小5の時から リストカットを始めました。
>中1で 不登校気味になり 現在は 無理をしていっています。
>受験生なのですが 勉強が手につかないようで イライラしています。
>本当の自分自身を 取り戻してあげたいのですが
>親としてどのように接してあげたらよいでしょうか?
ここで書かせていただく事は、とても繊細な内容だと思います。
限られた情報の中では、お答えする内容にズレが生じてしまう可能性です。
ですから、しっかりと自分自身の場所に持ち帰り、
「ははこさん」の場所で、娘さんの状況や、ご自身の状況で消化をした上で
何かの参考にしていただきたいと思います。
まず、「ははこさん」・・・・
あなたの行動を責める・・・・ということではなく
以下の内容を「可能性」・・・・という観点から読み進めてみて下さい。
>赤ちゃん時代・・・人見知りが激しかった。
>ミルクの飲み方にムラがあった。
心の問題を考える際に、後天的な親子関係による「アダルトチルドレン」と
別途、先天的に、神経質な質を持っている子供がいます。
そういった意味で、一概にはいえませんが強迫神経症などに移行するタイプです。
そういった質と、後天的なものとが複合的に重なった時に
一般的に「ボーター」と呼ばれる、
「境界性人格障害」の症状を表してしまう時があります。
少しショックを受けていらっしゃるかと思いますが
現在では、とてもこの障害で苦しんでいる人は多いのが現実です。
普通の生活をしている人も、多いですし・・・・
ちなみに私自身も、そうであるとお伝えしておかなければなりません。
ですから、普通の社会生活を送れるレベルから、
残念ながら病院で入退院を繰り返すレベルまで濃淡はあるかと思います。
娘さんの場合も可能性があるという理解をして下さい。
複合的にうつ症状や、パニック症状が出てしまうことが多いようです。
おそらく、その方が理解しやすいと私は感じています。
>小さく生まれてきたので つい無理をして ミルクを飲ませてしまった。
>頭のいい子で 2歳から字を読み出し
>期待して 勉強することを 強制してしまった。
このあたりの親子関係を理解する時に
娘さんは、「あなたは、貴方ではいけない!」
と、言い続けられた感じが、知性で理解したのではなく
心で感じていたのではないかとお思います。
つまり、自分自身が感じている満腹感を否定され
遊びたいと思う気持ちを、否定されていたのだと思います。
でも、私も親ですから、
「這えば立て、立てば歩めの親心」の観点から理解できます。
どうか、自分を責めないでくださいね・・・・・
>幼少期・・・
>人見知りが激しく 親離れが出来なかった。
>そのことが原因で近所のお母さんから嫌がらせを受け
>ひどく罵ってしまった事もあるし 一緒に死のうとさえした。
この部分が、一番「ははこさん」が娘さんと同じように
心の問題を持っていらっしゃるように感じたところです。
後述しますが、一度御自身と向き合われた方が良いかもしれません。
>小学校低学年・・・模範生。
>スポーツも勉強も良く出来て しっかりしていた。
>忘れ物は 多かった。
>小学校高学年・・・中学受験のため 塾へ通いだす。
>ここでも 親の期待が強く 常に上位の成績を要求された。
ずっと、自分自身ではいけないと
「期待」というプレッシャーに押されていたのだろうと思います。
ただ、彼女は、とても「ははこさん」に愛されたかったのだと思いますよ・・
>小5のときぐらいから 少しサボリ気味になった。
>小6で 海外へ転勤。全く 勉強に意欲をなくしてしまった。
>中学受験 失敗。
>中学になって・・・1年生の時 ほんの軽い仲間
>はずれにされたことがきっかけで 学校を休みがちになる。
>行かないといけないことは判っているので
>無理をしていっていたが 2年の途中で 行けなくなる。
>その間成績はがた落ち。
>家庭教師のお世話になり かろうじて ついていける状態
>!#K\?M$N4uK>$G!!Cf3になる時に 帰国。
>日本の中学へ転入。毎日 行きたくない・・と 言いながら 登校している。
>以上が 彼女の経歴です。
受験の失敗は悲しい事だったと思いますが
娘さんにとっては、ホッとされたかもしれません。
合格すれば、もっと頑張らなければならない現実が待っていたわけですから。
彼女は、ずっと一人ぼっちだった様に感じます。
彼女は、本当の自分が感じている事も、本当の自分が望んでいる事も
何もわからないままに、生きてきてしまったのだと思います・・・・。
>ほんの軽い仲間はずれにされたことがきっかけ
彼女は、この<線路>をエスケープする事の理由を探していたのでしょう・・・
何か、自分で「出来ない!」と、言うことさえも出来ず
「苛められた」という、小さな理由を見つけ
やっと、自分が辛いのだと・・・・・いうことが出来たのだと思います。
>楽しい毎日を取り戻してあげるために
>母として 何か出来ることがあるでしょうか。
ははこさん、よく聴いて下さいね・・・・
ははこさんは、今でも娘さんに強いている事がわかりますか?
「楽しい毎日を送っている娘」というモデルに・・・・・
それは以下の文章から読み取る事が出来るように思います。
>本当の自分自身を 取り戻してあげたいのですが
>楽しい毎日を取り戻してあげるために
勿論、彼女の苦しみを知っているからこそ
どうすればいいのかわからず、少しでも可能性があるのであればと思い
このページに書き込みをしてくださったのだと思います・・・・
自分自身の子育てを、今の現状を含め
そのまま書き込みをするのには抵抗感も大きかったと思います。
しかし、「ははこさん」は、その事を受け止めなければならない現状で
藁をもすがる気持ちで、書き込んでくださったのだと思います。
その面からも、自分自身の保身ではなく、
苦しんでいる娘さんを選ばれたのだと思います。
ただ、それでも尚
「今の娘さんの現実」を
受け止めようと・・・・されていない様に、ごめんなさいね、感じられます。
恐らく、それは「ははこさん」自身の中に
トラウマがある為ではないかと思います。
勿論、現状を受け止める・・・・実際にはどうしたらいいのか!!
と、怒りを感じるかもしれません。
だからこそ、今の娘さんを受け止めてあげる為に
どうか、あなた自身の「自分探し」をして欲しいと思います。
娘さんは、きっと「ははこさん」助けて欲しいのではなく
一緒に苦しんで欲しいのではないかと思います・・・・
一緒に、泥だらけになって欲しいのではないかと。
だからこそ、自分自身の醜いところ、愚かなところ・・・・
そういったところに目を向け、御自身をまず理解される事が必要なのだと思います。
娘さんは、カウンセリングをされているのでしょうか?
現在は、投薬を含め何かの対応をされていますか?
医療機関には、関わりがありますか?
若年例でいる事も含めて、出来れば投薬は避けたいところですので
出来るだけ早く、カウンセリングを始められる事をお勧めします。
私のところにお出でになった方なのですが
10年以上に渡るお子さんとの葛藤の末、ここにたどり着き
整理をされ、少しずつ自分を取り戻されたご家族がいます。
娘さんのような場合は、本人だけではなく
ご両親も別途で個別カウンセリングをしていく必要があります。
それは、家族機能障害の可能性が高い為に
本人だけが、どのように変ろうとも周囲が変らなければ
元の役割に戻る可能性が高い為です。
もしも、娘さんが拒否反応が強く行かれないのだとすれば
ははこさん自身が、カウンセリングに行かれ
<知>の部分ではなく、<心>で
娘さんと貴方との間に、いったい何があったのか・・・
ずっと何が起きていたのかを理解して欲しいと思います。
そのこと自体が、娘さんと貴方との間にある
硬いものを、いつかは溶かしてくれるものだと思うからです・・・・
ただし、「境界性人格障害」(仮説)はサポートがとてもヘビーです。
対応も難しいですし、これについての認識も深くなくてはなりません。
これに対する認識がある事・・・・
そして、相性のあうカウンセラーを、しっかりと探してくださいね・・・・
少しでも、「ははこさん」と娘さんの時間が
穏やかな、リラックスした時間になる事を願っています。
応援していますね・・・・・
風早里美