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「虚言癖」と「盗癖」のある恋人について悩んでいます
2013年5月25日
*** メッセージ ***
*** ハンドルネーム ***
林檎
*** ご相談の内容 ***
ACであろう恋人について相談させて下さい。
彼は30歳です。虚言癖と盗癖があります。
付き合って3年、幾度となく私の財布からお金を盗みます。
返してくれるようになったのですが、勝手に持っていってしまいます。
職場でも人の財布から盗んでいるようです。
嘘もひどく、両親が亡くなっている、兄弟がいると聞いていましたが、
実は両親は生きていて、兄弟もおらず一人っ子でした。
私はそれを人から聞きました。
彼に聞いてみると、幼い頃に両親は離婚。
母親は別の人と再婚。それから会っていないようです。
父親からは身体的、精神的虐待があったようで、
ずっと一人ぼっちで辛かったと泣いていました。
盗みももちろん問題ですが
嘘の内容の方がひどく思います。
職歴も嘘で、自分を大きく見せる嘘が多いです。
そんな彼なので友達もいません。
彼は変わりたいと思っているようですが、
あなた病気ですよと病院に連れて行くのもきが引けます。
アドバイスをヨロシクお願いします。
林檎さんはじめまして、風早里美です。
お返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。
恋人の「虚言癖」「盗癖」で悩んでいらっしゃるようですね・・・。
3年間の交際の中で、色々な葛藤があったものと思われます。
『虚言癖』については、自己肯定感が低い為に
相手に好意を持ってもらいたいという深層から表面化します。
”嘘”をつき続けて、最後には自分でも何が真実か分からなくなっていき、
”嘘”を言っている自分を認められなくまります。
そういった自己否定感から逃避する為に、
更に”離人性”(自分を自分のように感じず第三者のように感じる)を深めます。
結果として、全く自分自身がどうしたいのかを考えられず
思考は濃霧のような状態となり、そこにご本人の真意は現れてくる事はありません。
さて、そこで林檎さんに質問です。
今から質問をさせて頂く事は、林檎さんにとって
否定されたり、責められているように感じたりする可能性があります。
林檎さんの深層を理解する為に、必要な事と思いますのでご容赦下さい。
3年間、色々な事がありながら別れられない現状・・・・
『彼を、好きなのでしょうか?』
『林檎さんは、幸せになりたいですか?』
「何を言っているのか!」と、怒りを感じられるかもしれません。
ただ、健康な人は「幸せになる」為に生まれてきています。
彼は、恋人である貴女にも嘘で塗り固めた人生を語り
身内である林檎さんだけでなく、他人の物に対して盗みをしています。
何も林檎さんが表面化しないのではなく
貴女も苦しみ迷い、そして彼に事実を突きつけた(嘘・盗みの確認)のでしょう。
そして、彼は泣きながら自分の生い立ちを話し
林檎さんは同情心を感じ、そういった彼の行動を理解したのかもしれません。
ところが、彼は全く変わらない・・・・、嘘をつき盗む事を止めないのでしょう。
そこで、林檎さんのあり方です。
<彼は変わりたいと思っているようですが、
<あなた病気ですよと病院に連れて行くのもきが引けます。
「気が引ける」・・・・・、そう感じているご自身をどのように思いますか?
この状況の中で、長い交際・その後の結婚・・・、
穏やかな時間を得られると思われていますか?
例えば、結婚し子育てをする際に、子供はお父さんの嘘に翻弄され
子供のものでさえ、盗みをする可能性だってある・・・・・。
恐らく、子供は振り回され、心は疲れ果てるでしょう。
でも、父親から愛されたい気持ちも大きく迷い、悩んでいく事になるでしょう。
勿論、漠然とは林檎さんも気付いていらっしゃると思います。
だからこそ、この場所に相談をされたのだとも理解しています。
「気が引ける」の真意は、彼を追い詰めて嫌われたくないのですか?
それとも「何とかなるのではないか・・・」と、漠然と期待をしているからですか?
彼を理解し自分が愛し続ければ、盗癖や虚言が軽減するのではないか?
きっと、「何とかなるのではないか」と思い続け3年が経過して
どこかでは、「専門家の手を借りないといけないのではないか?」と
林檎さんは、彼がそのレベルである事を深層では知っていませんか?
一度、ご自身の中で深層を確認されると、”気付き”もあるように感じます。
林檎さん、私自身もそうでしたが恋愛関係の中では
相手を理解していく過程で、見たくないものは目を閉ざして
出来るだけ恋愛を継続しようと無意識ですが努力するような気がします。
「現実逃避」してしまう事を、私も恋愛の中で繰り返してきたように思います。
それは、「自分だけは彼にとって特別」であったり
「私だけは彼の理解者でいたい」「彼も努力してくれているから」の言葉で
気付いている事実を見ず、自らの思考を止めてしまう事だと思います。
後になると、『自分は気づいていたんだなぁ・・・』と思ったりしました。
林檎さん、人には色々な価値観があります。
そういった彼と生きていく事が、林檎さんの本当に幸せならば、
「一緒にいたい」という、その一点だけで全て許せるのであれば
それを選べばるのも、林檎さんにとっては正解なのだと思います。
ただ林檎さんにとって、『彼が変わってくれたなら』と願い
「変わること」を想定した未来ならば、しっかりと考え直して頂きたいと思います。
彼の状態はとても病的だと思います・・・・・・
彼を「変えよう」とすれば、彼は「変えられまい」とします。
彼が「変わる時」は、彼が自分を変えることを決意した時だと思います。
また、専門家のサポートを受けないと、彼の決意だけでは難しいとも思います。
では、どうすれば彼が「変わる」事を決意してくれるのか・・・
林檎さんが、「気が引ける」事無く、本当に心がヘトヘトになり
「今のままでは自分が壊れる」と感じ、将来が見えなくなった時です。
本気で、彼と別れることを考えた時です。
そしてそれを彼が感じ・・・、彼が、以下のように思った時です。
『彼女(林檎さん)を失うくらいだったら、
自分自身が壊れてでも(様な恐さがある為)、何が何でも自分を変える』
林檎さん、幸せになりませんか・・・?
心穏やかな時間を手に入れませんか?
この彼との関係は、彼の問題ではなく
林檎さん自身の問題だとも感じています。
「誰かが、とても自分を必要としてくれている」事が、
とても必要な様に、林檎さんが育っているようにも感じます。
専門家の手を借りるのは彼だけでなく、林檎さんも必要かもしれません。
夫からのDVで、命の危険があるほどの暴力を受けても、
結果的に、夫の元に戻ってしまう妻は、こういった質を持っています。
「共依存」といって、相手に必要とされて、やっと「自分」を認識する・・・・
それが、無意識であっても手放す事ができません。
林檎さんが、「自分」を直視出来る事が
結果として、「彼」が変わっていく一番の近道なのかもしれません。
冒頭に「彼が好きですか?」と尋ねたのは、
「好き」と言う事ではなく、「執着」である可能性があるからです。
一度、彼の何処が具体的に好きなのかを考えてください。
すぐに答が見つかれば、「好き」なのかもしれませんが
見つからなかったり、無理にこじつけて言葉を捜せば
「執着」・・・、条件反射で反応しているような状態なのかもしれません。
この文章を読み終えて、
攻撃されたような否定されたような傷つきがあるかもしれません。
許してくださいね・・・、関わりに制限のある場所でオブラートに包み
時間をかけていくことで、伝わらない可能性もあると判断し
直接的な表現になった部分も多いように感じます。
抵抗感があるとおもいますが、出来れば何度も何度も読み直して下さい。
何か、少しずつ理解を含め伝わっていくものがあれば嬉しいです。
林檎さんに彼と一緒であっても、そうでなくても幸せになってほしいと
そう願いながら書かせていただきました・・・・・・。
心から、応援しています。