HOME > セラピールーム > メールカウンセリング事例集 > 症状に関するお悩み > 2006/12/14
ちゃちょんさん
45歳の主婦です。
夫と、10歳、8歳の娘(8歳の娘には障害があり、
食事・着替え・排泄・移動が自力でできません)と共に暮らしています。
下の娘の介護は24時間休みなしですし、
この子の将来のことを考えると、言い知れぬ不安はありますが、
物言えぬ娘がいとおしくてたまらず、娘たちの笑顔を見ているだけで幸せだし、
精神的にはけして憂鬱ではありません。
それに、自分が死んだら娘たちがどうなるか考えるのもおそろしく、
当然、自殺したいなどとは思ったこともありません。
しかし、毎日寝てもさめても、とにかく、どうしようもない疲れを感じ、
下の娘の学校の付き添い(地域の小学校の障害児クラスにいます)と、
放課後のリハビリにほぼ毎日病院通いをするだけで
体力を使い果たしてしまい、あとは、掃除・洗濯・炊事とも何もやる気がおきず、
必要最低限の家事だけこなして、寛容な夫や娘たちに甘えて暮らしている感じです。
家の中は洗ったままたたまず放置している洗濯物や、
新聞紙、おもちゃなどが散乱して、しかもほこりだらけの状態です。
なんとか片付けたいと手をつけても、何を捨て、
何をどこに持っていけばいいかなかなか判断できず、ちらかった部屋を前に、
いい年をして、涙が出てくることもたびたびです。
しかもとくに、健康な上の娘に対しては、じっくりと正面から向き合ってやれず、
疲れを口実にきつくあたってしまっていることを自覚しています。
そのくせ、どんなに疲れていても、友人(主に障害児の母仲間)からの
電話やメールでは、冗談を言い合って笑ったり、
悩み事の相談に乗ったりしているのですから、
やはり上の娘にたいしては、親なのに甘えているのかもしれません。
そして、私と同じように障害児を介護しながらも、
ちゃんと家の中をきれいにしていられる友人たちに対して、
内心劣等感にさいなまれています。
振り返ってみると、上の子が生まれてから、
一度も朝までぐっすり寝た記憶がなく、夜中泣いたり、
おっぱいを欲しがる赤ちゃんのためにずっと起きていたり、
娘が寝返りをするたびに目覚めて、布団をかけなおしてやったりしていて
(特に下の娘は夜中に呼吸が止まる時期がつづいたので)、
慢性的な睡眠不足になっていると思います。
しかし、この泥のような疲れは、上の子が生まれるずっと以前、
28歳で妊娠中絶をしたころから続いているようにも思います。
五年前の市の健康診断では、うつ病の診断アンケートで該当しないのは
「死んでしまいたいと思うことがある」という項目だけでした。
その後、体調不良については、
「全身の疲れ・頭重感・動悸・息切れ・喘息症状」などで
内科・婦人科にかかりましたが、喘息、貧血と低血圧があるほか、
特に問題はないので、鉄剤と喘息の発作どめを飲むだけで、
いっこうに疲れが取れないままです。
そして、つい最近、「仮面うつ病」という病気があることを知り、
私の場合、それなのかもしれないと思い当たりました。
ただ、だからどんな病院へ行けばいいのか、
そして、治療でぐっすり眠ってしまったりしたら、下の娘が大丈夫なのか、
そもそもそんなことのために娘を置いて病院に通えるのか、考えたら袋小路です。
もし、なにかよいアドバイスがあればお教えください。
自宅からメールでカウンセリングしていただき、
この整理のつかない状態や疲れが改善できるなら、ありがたいのですが。
「ちゃちょん」さん、はじめまして風早里美です。
お返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。
メールを読ませて頂きました。
子育ても大変な作業ですが、障害を持っていらっしゃるとの事で
より心も身体も、大変な状況にいらっしゃるように感じました。
>そして、つい最近、「仮面うつ病」という病気があることを知り、
>私の場合、それなのかもしれないと思い当たりました。
>ただ、だからどんな病院へ行けばいいのか、
>そして、治療でぐっすり眠ってしまったりしたら、下の娘が大丈夫なのか、
>そもそもそんなことのために娘を置いて病院に通えるのか、考えたら袋小路です。
精神科医を基本とする「心療内科」になると思いますが
正直言って、誠意の感じられる医師は稀なのが現実です。
そういった意味で、この複雑な状況をともに共感し受容し
理解してくれる医療機関を探すことは難しいと言ったほうがいいように思います。
また、結果として精神的に「うつ」傾向にあるかもしれませんが
それは身体的な疲労に誘発されたものだと思います。
本来の課題から逃避する為の「仮面うつ病」とは
成り立ちが違うように感じています。
ある意味では、すでにうつ症状が出ているとも言えますし・・・
ですから、まず環境面で睡眠時間を増やすことも必要になってくるでしょう。
そこで、私としての意見をお伝えしたいと思います。
まず、ここで書かれている部分部分に、自分自身を認めていない言葉があります。
>放課後のリハビリにほぼ毎日病院通いをするだけで
>体力を使い果たしてしまい、あとは、掃除・洗濯・炊事とも何もやる気がおきず、
>必要最低限の家事だけこなして、寛容な夫や娘たちに甘えて暮らしている感じです。
そして、
>しかもとくに、健康な上の娘に対しては、じっくりと正面から向き合ってやれず、
>疲れを口実にきつくあたってしまっていることを自覚しています。
また、
>そして、私と同じように障害児を介護しながらも、
>ちゃんと家の中をきれいにしていられる友人たちに対して、
>内心劣等感にさいなまれています。
とも、書かれています。
このあたりには、真面目であり一生懸命であるからこそ
「もっと頑張らなくては!」と自分を責めるあなた自身が感じられます。
その事は、あなた自身を心も身体も追い詰めているように感じるのです。
そのあたりを自分自身で、「許して」あげることが出来るようになれば
随分と心は安らかになるのではないかと思います。
そういった意味では、心の安定を量る意味で
カウンセリングに行ってみられることも有効かもしれないですね。
ご主人への「甘え」も、どの程度表現できていますか?
ご実家からの精神的、体力援助はどうなっていますか・・・・・?
そのあたりで、自分自身にこれ以上心にも身体にも
過度の負担をかけては、あなた自身が倒れてしまうのではないかと思っています。
だからこそ、上手に「甘えることの出来る貴方」を作ってみませんか?
出来るだけ自分の手で・・・・と考えていらっしゃるとは思いますが
これからも時間をかけて生活の一部として、進めていくことなのです。
だからこそ、無理をしないで「共存する」ことが必要です。
障害の度合いによっては介護の手を借りることも可能かもしれません。
福祉事務所などに、どの程度相談をされていますか?
ご自身の体調も含めてお話をしてみてはどうでしょうか?
きっと、貴方の中には
「もっと重度の障害を持っているお母さんでもやっているのだから」
等という、こだわりもあるのかもしれません。
でも・・・・・よく考えて頂きたいのです。
この人に10キロの荷物がもてるから、私も。
この人に50キロの荷物が持てるから私も・・・・・・。
そんな考え方は捨ててしまっていいのではないでしょうか?
例えば、私はとても体力がない人なので
腰痛もひどく、病気になりやすいレベルでいます。
デスクワークと思って医療事務の仕事を昔パートで引き受けた際に
二日で辞めてしまいました・・・・・・・・・(苦笑)
それは、一日中立ち仕事であり私の認識と違っており
二日目ですでに腰痛が出てしまった為です。
人には普通に出来る仕事であっても、私は二日が限界でした。
人には、その人に持てる「重さ」というものがあります。
お子さんの障害は、貴方だけが持たなければならないものではありません。
周囲に甘えさせてもらっている」と書かれていても
そのボリュームで不足しているのであれば、
もっと助けてもらわなければなりません。
助けが必要だからです。
今の身体の状態は心も身体も悲鳴をあげているのですから
周囲の人に気づいてほしいのだと思います。
でも、出来れば「ここで」このことに気づいていただき
「赤ちゃん」ではないのですから、泣いて周囲に理解してもらうのではなく
「こうしてほしい!」という話をして、その現実の打開策を作ってみませんか?
取り合えず、最初に試みてほしいのは睡眠時間を作る事です。
熟睡することに不安を感じていらっしゃるようなので、ご主人であれば安心でしょう。
ですから、ご主人のお休みに一日頂いてお子さんを預け
家では、心が休まらないので実家、極端ですがホテル等に行って眠ってください。
毎週でなくてもいいのです、一ヶ月に一回でもいいのです。
今のような緊張状態が数年続けば、誰でもが「うつ」になってしまいます・
「夫も仕事で疲れている」という綺麗ごとではなく
あなた自身が、心や身体が壊れてしまう前に行動を起こして
自分自身を助けてあげてみませんか・・・・・・・?
まずは、「人に甘えること」「公的機関のサポートを利用すること」
等を通して睡眠をとり、心と身体を休めてあげてください。
こういった行動を取ることが出来たとすれば
「仮面うつ病」であったとしても、「仮面をする必要」がなくなり
自分ひとりで背負うことをしなくなった心の軽さから、
マラソンランナーになれると思います。
それは貴方自身の為でなく、お子さんたちの為に
貴方を大切にしてあげることなのです・・・・・・・。
そのことに罪悪感を持たないで、「必要なこと」と開き直りが出来るといいですね。
今が、その時だと思います・・・・・考えてみてくださいね。
貴方は、もう十分に頑張っていると思います・・・
これ以上頑張ることは、「無理をすること」に他なりません。
もう、頑張らなくてもいいのではないでしょうか・・・・・?
そのことに「気づく」ことは、少しでも早いほうがいいと思います。
誰かに助けてもらいながら、多くの人に支えてもらいながら
お子さんたちと、少しでも明るく生きていけるように考えてみませんか?
応援しています・・・・・・・・
風早里美さま
お忙しい中、お返事ありがとうございました。
メールを読ませていただき、自分でも意外なほど涙が止まらず、
なかなかお返事が書けませんでした。
>この人に10キロの荷物がもてるから、私も。
この人に50キロの荷物が持てるから私も・・・・・・。
そんな考え方は捨ててしまっていいのではないでしょうか?
ほんとうに、自分の本当の力を隠して、「もっとできる自分」を
演じようとしていたのかもしれません。
確かにおっしゃるとおり、
障害のある娘と療育施設に母子通園するようになって以来、
「もっと大変な介護をしながらも、家事もちゃんとこなし、
しかも明るく、まわりのみんなに親切な、自分よりずっと年下の友人たち」
を見て、私もなんとかして追いつかないといけないとあえぎあえぎ、
自分を責め続けてきたような気がします。
実家の母も、パーキンソン病が進行し、
移動には85才の父が車いすを押している状態なので、
実家の家族に頼ることはできないのも、
原因の一つだったかもしれません。
実は、メールをいただいてから、
ちょうど夫が年末の休みに入ったこともあり、
とにかく昼間でも夜でも、可能な限り(娘にはビデオを見せておくなどして)
睡眠時間を確保するようにしてみました。
いつもの休日は夫が寝ている横で
私が娘たちと遊んだり家事をしたりしていたのですが
夫に、「どうにもしんどくてだめだから、寝るね」というと、
夫が洗濯をしてくれたり、娘たちと遊んだり、
ときには食事も作ってくれたりしました。
そうやって
「洗濯物もたたんでないし、掃除もしてないし、
晩ご飯の買い物もしてないけど、
今はまず眠っていいんだ」と自分に言い聞かせるようにして横になり、
たとえ15分でも熟睡できることが重なってくると、
ずいぶん体が楽になり、気持ちも軽くなって、
その後の家事も苦痛ではなくなってきました。
なにか魔法にでもかかっているかのように、
掃除や洗濯をしようとすると、
体中が重くてだるくて、どうにもやる気がでない・・・
そういう状態がずっと続いていたのですが、
自分自身をしばっていたのは「魔法」ではなく、
ただ「がんばりが足りないのに寝たらだめだ」
という気持ちだったのかもしれません。
風早様、
お心のこもった、的確なアドバイス、ほんとうにありがとうございました。
日によってはまた「どうにもやる気が出ない。だめだだめだ・・・」
と思ってよけいにしんどくなったりしますが、
「しんどいときは休む」
と決めることで、ずいぶん救われるし、
そのあとで気持ちも明るくなることに気づくことができました。
このぶんだと、病院に行かずに乗り越えられそうな気がします。
ほんとうに、かさねがさね、ありがとうございました。
お返事有難うございました。
少しでも、「頑張っている自分」に気づき
認めてげられるようになり、良かったと思います。
人は、どうしても誰かと自分を比べて、
「出来ていないところ」を見つけてしまうようです。
「出来ているところ」には、目が行かないようですね・・・・
貴方は一人ではなく、
ちゃんと助けてくれるご主人がいます。
お子さんもいます・・・・・・・、
少し自分だけでは持てない荷物を
手助けしてもらうのは、決して恥ずかしいことではありません。
それは、逆に相手に対しても、「弱音の吐ける」関係を
創れるからだと私は思っています。
無理をして頑張ろうとしている、大切な存在に対して
「もっと甘えてほしい」と、思う時があります。
どうサポートしてほしいのか、言ってほしい時があります。
「こうして欲しい」「こうしたい」と、周囲に発信する事は大切なことだと思います。
ご実家の、ご事情もあり、
さらに「助けて」と言い辛い立場にいらしたのですね・・・
これからは、自分自身を上手に甘えさせてあげて欲しいと思います。
頑張るところは、頑張ることが大切ですが
「頑張ろうとする自分」を、ちょっと「頑張りすぎだよ」と
とめてあげるのも、あなた自身です・・・・・・
自分自身を大切にしてあげて下さい・・・・・・・
その事が結果として、周囲に対して「有難う」の気持ちと
「これを、しなければ」ではなく・・・・・
「何かをしてあげたい」と思える,心の余裕をもたらしてくれると思います。
いつも、いつも、頑張らないで
「頑張っている自分」に優しくしてあげてくださいね・・・・・
出来る事を、出来るだけ・・・・・
無理をしない、頑張らない・・・・・・でも、あきらめない・・・
とても大切なことだと、私は思っています。